山田組ロゴ
代表者挨拶



「日本一多彩な地域貢献活動を展開する建設会社になる」

株式会社山田組
代表取締役

山田厚志

1.ホームページをリニューアルしました

 平成23年当初から弊社ホームページを一新しました。リニューアルの一番の狙いは「地場の建設業者として日本一をめざす多彩な地域貢献活動を発信する」ことでした。ですから、トップページからすぐに弊社の地域貢献の活動ぶりを確認できるようにしました。
私はなにも道楽で貢献活動(世にボランティア活動という)に取り組んでいるわけではありません。弊社にとって地域貢献活動には大きく3つの効用があります。それは、

  • 地域や他団体の皆さんに認められ頼りにされる実感が職場に活気を生み出し、社員のモラルアップにつながる
  • 自分たちが無理なく・楽しくできる「自社や社員の強みを発揮」する貢献活動に取り組むことで、「中小建設業ゆえの弱点の克服」という発想から解放される
  • なにより、苦境に瀕している地域建設業界を生き抜く手段として「地域貢献活動」を捉え、「本業にメリットを生む」取り組みになりつつある

 以上の3つの効用についてはそれぞれ具体の事例などを紹介すべきですが、それはホームページからご覧いただくとして、本稿では特に3番目の「なぜ地域貢献活動が本業のメリットにつながるか」について私の思うところを述べ、平成23年の代表者挨拶としたいと思います。

写真1と2
高年大学での講義風景。 中学校への出前授業の様子

▲TOPに戻る


2. 指名競争入札の真の機能

 弊社の売り上げの過半を占める公共事業。発注者である国・県・市町村は明治以来、施工業者を「調達」するにあたって入札により最低価格応札者を落札業者としてきました。つまり私たち公共建設業者は最低価格で落札しない限り仕事にありつけないわけで、根本的に先の見通しの立たないその日暮らしの業種と言わざるを得ません。
 ではなぜ今日まで存続できたのか。弊社の場合は今年で創業57年目になりますが、なぜ年々社員を増員し、設備投資を繰り返してこられたのか。
 私はその最も大きな理由に「指名競争入札制度」を挙げたいと思います。
 すなわち、工事規模や内容などに応じて相当数の建設業者を発注者が「指名する」方法です。この制度によって私たち地場の建設業者は「受注済みの仕事を誠実に施工した評価の証として、発注者側から次の工事の応札資格を与えられる」という「好循環」を予測でき、目下の仕事をより良く仕上げることに努めるとともに、少なくとも自由競争入札よりはるかに先の受注見通しを抱いて求人活動や設備計画を立てることができました。つまり、指名競争入札制度とは地場の建設業者にとって「明日に向かう上でのファンド(保険)」の機能を持っていたのです。
 私たちの悲しさは、この指名競争入札制度のことを「過去形」で語らねばならないことです。すなわち平成18年の全国知事会の決議「公共調達改革に関する指針」に端を発する「一般競争入札制度」の全国的な導入によって、今や公共工事はダンピング受注の横行する荒れた市場になり果てました。私たちの業界が長年にわたって説明責任を果たしてこなかった結果、失ったものはあまりに大きいものでした。指名競争入札制度の下で当たり前に果たしてきた災害復旧活動や緊急維持作業など地域を守る活動は、私たち自身が地域の人々にもっときちんとアピールしてくるべきだったのです。行政はそのことを納税者にうまく伝えてはくれなかったばかりか、むしろ「行政が皆さんの安心・安全を担っています」と、もっぱら自己PRにこれ努めてきた感すらあります。

▲TOPに戻る


3. 代替えとしての総合評価落札方式の果たすべきこと

 では、私たちはどうすればいいのか。この先どのように見通しを立てて、少しでも雇用を守り、企業としての体を為せばよいのか。
 主な発注者が行政であり公共工事を請け負う身である以上、公共調達の大原則である入札制度からは逃れることはできません。さりとて健全な企業体質を損なうばかりの低価格応札を誘導する一般競争入札制度には断固反対です。行政側も「安かろう悪かろう」のインフラ整備は避けなければなりませんから、生み出した制度が「総合評価落札方式」です。
 この方式の特徴は、指名競争入札制度が有していた「価格以外の業者の評価」を、指名することなく公共調達に反映しようという点にあります。
 すなわち入札価格の評価以外に、大きく以下の4項目を点数化する仕組みです。(以下に示す項目は、特別簡易型と呼ばれる中小工事用の内訳です)

  • 「企業の施工実績」・・・過去に同種施工実績があるか、施工成績は優良か、工事表彰の実績はあるか、などの観点
  • 「配置予定技術者の能力」・・・その工事に配置予定の技術者の実績や能力などの観点
  • 「地域貢献・地域精通度」・・・本支店の所在地、防災訓練やボランティア活動の実績などの観点
  • 「その他」・・・環境配慮、雇用状況、各種行政施策への協力実績などの観点

 一般的には「応札価格7割前後」「価格以外の観点3割前後」の割合で総合的に評価して落札業者を決定しています。
 私はこの総合評価落札方式の「地域貢献・地域精通度」の評価割合と評価点を共にアップすることを発注当局に提言しています。さらには種々の地域貢献活動を通じて知遇を得た地域や他団体の人たち、研究者やマスコミ人にも賛同を求めてきました。
 「地域貢献・地域精通度」の評価をもっと重視すれば、地場の建設業者はもちろん、発注する行政も、そしてなによりその街で暮らす地域の人たちにとって多大な効用があると、私は考えています。失った指名競争入札制度の代替えになりうるばかりか、私たち業者のみに意味を持つ提言ではない理由を以下に述べましょう。

▲TOPに戻る


4.地域貢献マイレージ制の提案を支持

 「地場の建設業者が総合評価落札方式で評価を受ける地域貢献活動とは、具体的に何ですか」と私が複数の行政担当者に尋ねたら、全ての人が「防災活動と清掃ボランティア活動」と答えました。行政担当者にはこの二つの活動しか、貢献活動をイメージできないのが現実なのです。
しかし、私たちがなしうる地域貢献活動とは、もっと多彩なはずです。まずはその「防災活動」と「清掃ボランティア活動」ですが、

  • 防災活動・・・市町村の主催する防災訓練に応分の協力をする、会社所在地の地域防災大会に積極的に協力する、自社社屋の耐震補強を行う、地域と共有する防災備蓄倉庫を備える、災害ボランティア団体の活動を支援する・・・などなど
  • 清掃ボランティア活動・・・地元建設業協会で自主的・継続的に取り組む清掃活動、自社で継続的に取り組む地域清掃活動、本社外の施工現場が個々に取り組む地域清掃活動、街おこし活動などの一環として開催される清掃活動へ積極的に参加する・・・などなど

 現在は「防災活動」「清掃ボランティア活動」と一言で表現されている活動も、このように中身は多岐にわたります。さらにはこの二つの活動以外にも、たとえば以下のような貢献活動が考えられます。

  • 防犯活動・・・青色回転灯を備えた車両を使用した自主パトロールの実施、防犯協会での役職活動、施工現場周辺の防犯パトロールの実施・・・などなど
  • 教育現場支援活動・・・施工現場見学会の実施、出前授業の実施、子ども110番活動、本社近隣での交通誘導活動・・・などなど
  • 行政施策への協力活動・・・県・市町村などが立案した諸施策への実践的な貢献(市民向け環境講座を開講する、市民農園を開設するなど)

 ここに例示した貢献活動は、すべて弊社が取り組んでいる内容です。
 ところがこうしたさまざまな活動が、今の総合評価落札方式の評価項目からは欠落しているのです。「ためにする貢献活動」ではありませんが、もし、多彩な地域貢献活動を行政がもっと積極的に評価する姿勢を示せば、街の各所で建設業者による地域貢献活動が活発に展開されることになるでしょう。なにしろかつての指名競争入札制度と同じように、「より良き業者であろう」とする具体的活動が工事受注への直接的な武器になりうるのですから。
 数年前、国土交通省中部地方整備局の佐藤直良・元局長は「地域貢献マイレージ制度」の考え方を私たちに示されました。「多彩な貢献活動を複数年にわたって継続的に展開した業者をより評価する仕組み」が、それでした。現行制度よりはるかに多彩な地域貢献活動を認めて点数化し、さらには単年度のみでは評価せずに複数年にわたって継続的にポイントすることを義務づける・・・こんな制度設計は、行政担当者なら朝飯前のはずです。
 今こそこの地域貢献マイレージ制度を導入して、地域貢献活動の恩恵を直接的に受ける地域の人々の支持を得つつ地場の建設業者の生き残りを図る策を、心ある行政なら早急に打つべきだと、私は強く思うのです。

写真3-4
小学生向け土木構造物工作教室の様子 市民向け現場見学会の様子

▲TOPに戻る


5.「元気をもらう」ではなく、「自ら元気になる」

 公共工事の発注者である行政は、かつて指名競争入札制度とギブアンドテイクの関係にあった私たち地場の建設業者による災害復旧活動や緊急維持作業を、指名制度を全廃した現在でも安易に期待しています。期待しているばかりか、業者の協力を前提として地域の人々に「安心・安全」をアピールしています。
 ところが、私たち地場の建設業者の苦境はピークを迎えています。仕事の絶対量の減少にもかかわらず「競争性の確保」を謳って業者の地域性は軽視されていますし、数少ない受注物件はその大半が採算割れの状態です。こんな地元業界に、果たして有事の際の献身的な活躍が期待できるでしょうか。できると考える人は、よほどの楽観主義者でしょう。
 今、私たちは「元気」を取り戻さなければなりません。地域の人々からの期待に応えて、今まで通り防災や防犯や地域清掃などの貢献活動で力を発揮しなければなりません。そのためには相変わらず「元気」を国や地方自治体からもらおうとするこの業界固有の受動的な姿勢は捨てて、まずは「自ら元気になろう」とする気構えを持つことだと、私は思います。
 いつの日か、弊社が取り組む多彩な地域貢献活動が正当に評価され、本業にさらに直接的に寄与することを信じて、まずは今年一年、また頑張ります。リニューアルされたホームページを通じて、私たちの取り組みにどうぞご注目ください。(了)

写真5-6
貢献活動の企画会議風景 地元の地域防災大会の様子

▲TOPに戻る


Copyright (c) 株式会社山田組 All rights reserved