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代表者挨拶



2014年 年頭所感 「60年目の節目の年に」

株式会社山田組
代表取締役

山田厚志

1. 命が繋がり、新しい年2014年が始まりました

 今年は山田組が会社組織となって60年目の節目の年です。
 図らずも代表者である私も、今年5月で60歳になります。会社と同じ時代を生きて歳を重ね、今こうして静かに今年一年間の戦い方を練っているところです。
 「戦い方」とは物騒な物言いですが、実際に私は決死の戦いに挑む心境です。人間はいずれ死を迎えますが、法人である会社は死ぬわけにはいきません。社員や社員の家族をはじめ当社のような小さな会社であっても、それに連なるさまざまな企業や団体、人々が存在します。いわば多様な命が繋がっているのです。今風の言葉で表現すれば「持続可能性」と呼ばれる概念は、端的にいえば「命が繋がり、死に絶えない」ということです。次々と生まれて繋がっていく命が会社に活力を与え、「死んではいけない」という法人としての最大の使命の確認を経営者に絶えず求めてきます。だから私は世に言う「還暦」を迎えるこれから先の命を、山田組を死なせないために使います。

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2. 一本の生き続ける大樹となって

 私と山田組がめざす「命の繋がる会社」とは、一体どんなイメージでしょうか?
 それは天に向かって伸びる一本の大樹です。
写真1
奈良・石上神宮のご神木を見上げて

 自重を支えるためにしっかり地中に根を張り、堂々たる姿の大樹。地表近くは年輪を重ねてどっしりとした樹形を誇り、はるか頭上の先端の枝には今春に芽吹く新芽が見える…つまりは「古さと新しさ」「安定と革新」が一つの生命体に同居する存在感と躍動感こそ、私が常に組織と社員に求めるものです。
 山田組にとって年輪を重ねた大樹の太い幹の部分とは、「まちづくり」の仕事です。一般の皆さんにはどうでもよいこだわりかもしれませんが、一口に「建設業」と言っても大きく「まちづくり業」と「家づくり業」とに分けられます。
写真2
公共空間の仕事が、まちづくり業

 私たちの仕事は「まちづくり」。公共空間を舞台に、上下水道の敷設や道路・河川・橋梁の建設・維持など公的資金を投入する社会資本整備という仕事です。私企業とはいえ、名古屋の地で60年近くまちづくりの仕事に真面目に取り組んできた実績に裏付けられた「公益的事業」を担うことが、山田組の太い幹なのです。
 一方、大樹の先端の「新芽」は何かと言えば、その一つはここ数年の本欄でも紹介してきた「都市内農業」の取り組みであり、「中国・大連事務所」の活動です。
写真3
市民の皆さんと野菜作りに汗を流しています

 そしてまた今年の4月から、新たに広大な都市公園の指定管理という仕事にも挑戦します。
写真4
名古屋南西部の広大な公園の管理者の一員になります

 このほかにも現在では新芽から若い枝へと成長した「リフォーム業」や「デザイン・プランニング業」、さらには幹を形成するまでに育った「管更生事業」など、改めて60年の歩みを振り返ってみると山田組の歴史は進取の気性に富むチャレンジの連続でした。先人たちが築いてきたその歴史が、私に「生き残るためには臆せず新しいことに挑戦し続けよ」と語りかけてくるのです。

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3. 地域に根ざして果たすべき役割は

 山田組と繋がっている命は、社員やその家族、関係する企業・団体の人達だけにはとどまりません。まちづくりの仕事を通じて工事現場周辺の皆さんと、そして本社や支店の位置する地域の皆さんとも常に繋がっています。
 「うち」と「そと」を意味する英語の「インテリア」と「エクステリア」は、ともに比較級です。会社だけを「うち」と捉えれば、地域は「そと」になりますが、地域に長く愛されてその一員だと自覚すれば「うち」のエリアは拡がります。山田組にとって地域は「インテリア」の範疇なのです。
 「うち」なる地域の一員として果たすべき山田組の最大の役割は、「まちづくり業者」の資源とノウハウを生かして、繋がっている「地域家族」の命を守ることだと私は考えています。その使命を社員全員で共有して実施してきたのが今年10年目を迎える「地域防災大会」です。
写真5
今では地域の恒例行事となった防災大会

 この大会の様子については、既に何度も述べてきましたので繰り返しません。詳しくは当社ホームページをご覧ください。過去の大会の記録資料をどなたでもダウンロードできるようにしてあります。
 もう一つ、「まちづくりの仲間たちとの繋がり」も忘れるわけにはいきません。災害やアクシデントを乗り越える戦略となるBCP(事業継続計画)立案のためにも、またその実効性を確実なものにするためにも、信頼できる同業他社の皆さんとの連携協力はなんとしても維持しなければなりません。地域や発注者とビジネスだけで繋がった「そと」の業者には、「地域家族の命を守り続ける」という継続的な使命を果たすことはできません。

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4. 制度設計のプロが行うべきこと

 さて、こうして述べれば「まちづくり」という公益的事業を本業とする山田組が生き続けるのは地域家族の一員として繋がる命を守るためでもあると分かります。そして防災大会などの地域の命を守る具体的活動の展開には、会社が適正な利益を生み出す必要があることも自明です。 
   山田組は官から工事を受注して真面目に仕事をし、生み出した利益を社員と地域と会社のために使い、さらに信頼を得て次の工事を受注して大樹へと成長していく…シンプルですが、これが「持続可能な発展」というものではないでしょうか?
 ところが、このシンプルな図式が成り立たないのが昨今の公共工事の調達の現実です。
 現在の官の発注システムは「信頼できる複数の業者による入札で発注する」という指名競争入札は原則廃止して、一定の参入条件を満たした業者なら誰でも応札できる自由競争入札を採用しています。つまり官は「なぜ、あの業者を選ぶか」という「意図の説明責任」を放棄して、「価格競争で公正に選びます」という「手法の説明責任」を果たしているにすぎません。これでは社会資本整備という計画的事業が、いたずらに自由経済の論理に翻弄されるリスクが生じます。事実、昨今では国も地方自治体も公共工事の「不調・不落」が多発しています。市場原理に委ねれば、アベノミクスと復興事業のあおりを受けるのは人々の安心・安全の維持・向上を目的とする地域の計画的な公共事業なのです。  私がこう述べると、たちどころに「いやいや現在の公共調達の仕組みには総合評価落札方式が導入されている」と指摘する行政マンや同業者もおいででしょう。確かに価格競争以外に会社の技術力や配置技術者の能力、地域性なども採点して価格と共に文字通り総合評価することになっています。しかし、私が先ほど述べた「会社を存続させて地域の命を守る取り組み」、つまりは「地域貢献活動」に対する評価の仕組みは極めて薄っぺらです。
写真6
ある自治体の総合評価の抜粋…地域貢献活動は現行では1活動のみで1点が加点される
※画像をクリックすると別窓で大きな画像が開きます

 これもまた過去に述べたことの繰り返しですが、地域貢献の評価点を「デフレ化」すべきだと私は考えます。詳しくは稿を改めますが、地域の命を守る活動は多様です。それらを「1活動=1点」と加点していくと価格競争力や技術力など他の重要な評価項目の配点に影響してしまいますから、現行の「1点」をせめて「3点」くらいに底上げしたら、あとはその3点の地域貢献評価を獲得するために、たとえば15の多様な活動が必要…つまり「5活動=1点」といったように「希釈化」することを提案します。そうすれば、たちどころにまちづくり業者の貢献意欲は喚起され、各所で多様な取り組みが展開されるはずです。
 「指名制度なき時代、地域の命を守る地域に根ざしたまちづくり業者をいかに公正に選ぶか」…業者に過ぎない私はこれ以上関われませんが、制度設計のプロたる行政の皆さんがそれを考え、現行制度の改良更新を図ることは、ごく当たり前の務めだと私は思います。

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5. 地域のために自社を存続させる使命を胸に

 以上、長々述べました。
 私は現行の行政による発注の仕組みに異議を申し述べますが、「陳情」とよばれる行動を採る気は、あまりありません。愚直でも山田組らしい行動と提案を展開して、共鳴する仲間と共に業界活動を続けて自ら状況を変えていくつもりです。
 大原則は自助努力。60年目の今年もその歩みを止めることなく、山田組は前を向いて進んでいきます。
 関わる皆さんの変わらぬご支援・ご教示を、今年もよろしくお願いいたします。

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