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代表者挨拶



2016年 年頭所感 「今年は特に若い皆さんに向けて」

株式会社山田組
代表取締役

山田厚志

新しい年がはじまりました。

 時の流れは不可逆的で、人はその流れの中で老いて最後は死を迎えますが、会社はそういうわけにはいきません。当社のような中小企業であっても相当数の世代も性別も違う人たちが同時に働いていますから、たとえ代表者といえども、自らの死とともに組織も息絶えさせてしまってはその日から社員が路頭に迷ってしまいます。企業は死んではいけないのです。企業を表す「法人」という言葉は寿命のない活動体を意味するのだと、私は思います。
 もちろん「企業は死なない」と理念的に言ってはみても、死なない努力をしなければ、ある意味では人より簡単に死んでしまうことは自明です。だから代表者や会社幹部は必死に努力して企業経営を行なうわけです。
企業が死なないための努力には様々ありますが、やはりなんといっても組織を構成する人材の継続的な更新が大切だと、私は思います。いくら財務的な体質が強くても、その組織が50代・60代ばかりで構成されていれば、早晩活力を失ってしまうでしょう。健全な組織には若い世代がどうしても必要なのです。


若い人が来ない

 ところが私たち中小建設業界の実情はどうでしょうか。当社も含めて実に多くの業者が若い担い手の慢性的な欠乏に悩んでいるのです。これでは長年にわたって工事受注の利潤の一部で地域の安心・安全も担保してきた全国の中小建設業者は機能不全に陥って、結果的に発注者ばかりでなく市民にも大きな不安を与えてしまいます。すなわち私たちの若手人材不足という問題は、行政や市民と共有すべき深刻な社会問題でもあるのです。
 そこで、私からこのホームページを訪れてくださった若い皆さんへの問いかけとお願いがあります。

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踊る舞台は、そんなに重要ですか?

 私は現在、本業のかたわら、三つの大学の非常勤講師を務めていますが、そのうちの二つは学部生に半期15回の講座を受け持っています。そして、よく学生たちから将来の進路に対する悩み事を聞きます。曰く、「同級生たちの内定先に比べて自分に内定通知が届いた会社は規模が小さいが大丈夫だろうか」とか「この先、安定した企業であり続けるか心配」等々・・・私なぞ(なんと贅沢な)と思ってしまいますが、相談を持ちかける相手の学生は至って真剣です。
 こんな時、私の発する言葉は、いつも決まって、こうです。「踊る舞台は、そんなに重要ですか?」。
 すると学生たちは困惑した表情を見せますから、続けて私は「踊り手はあなたで、舞台とは春から働く職場のことです。」と補足して、さらに「本当に重要なことは踊る舞台ではなくて、踊り手であるあなたの力量の方ではないですか?」と問いかけるのです。
 確かに舞台(=職場)は丈夫で立派な事に超したことはないでしょう。でもその舞台に見合った技能が伴わなければ、いつまで経っても組織の求める人材像と乖離し続けて、遂には浮いてしまう・・・ということもあるのでは?
 今、若い人たちには「舞台よりも自らの踊りのパフォーマンスを上げることがより重要」と申し上げたいと思います。パフォーマンスさえ上がれば、そして上げていく努力を怠らないようにすれば、自ずと舞台は整っていくはずです。いやむしろ自分の力で、立っている舞台を整えていく気概こそが気力・体力が備わっている若い時に求められる基本的な姿勢だと、私は思うのです。

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中小建設業者に求められるものは

 一方、私たち中小建設業界の若い人材を求める姿勢はどうでしょうか?残念ながら「とにかく若い人が欲しい」とか「(国の施策に沿って)女性技術者を採用したい」など、決して将来を見据えて地に足を着けた態度とは思えない言動をよく見聞きします。
 そもそも「将来を見据える」という言葉自体が、この業界では「死語」になってしまったのかもしれません。その日暮らしの受注合戦の末にようやく拾った仕事は利益を生まず、したがって人材にも資機材にも投資ができない・・・そんな図式が透けて見える業界に成り果てた感があります。正直、若い人たちに心から「来てください」とはなかなか言えないかもしれません。
 しかし苦しく厳しいのは一部の大手を除けば小売業も製造業も同様のはず。こんな時こそ経営層は一つになって組織を守っていかなければなりません。そして明確な自社の方針を掲げて若い人材を求めていかなければならないと、私は考えています。
 その方針とは「今、必要な人材を都合よく求める」姿勢ではなく、「将来にわたる会社存続のための人材を求める」姿勢であり、自社が「若い人たちのパフォーマンスを上げる舞台となりうる職場」であることを強く打ち出すことだと思います。つまり「ここに来れば、自分のスキルやモチベーションが上げられる」と若い人たちのやる気に火が付くメッセージが必要であり、それが掛け声にとどまることなく実際に組織を挙げて若い人たちを育てていく仕組みとマインドが経営者にも社員にも求められるのです。

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山田組で働く仲間たち

 現在の山田組が理想的な職場環境などとは言いません。まだまだ改善すべき点や強くならなければならない弱点もあります。しかし上述した「若い人たちのパフォーマンスを上げる舞台となりうる職場」「ここに来れば、自分のスキルやモチベーションが上げられる職場」であることだけは確かです。その実例をいくつか挙げて、まだ見ぬ若い皆さんとの出会いを信じて、今年の代表者挨拶を閉じることにします。

○代表者である私も会社幹部の多くも中途採用組です

 私は妻の実家の稼業であった山田組に27歳の時に教育大学の実習助手を辞して入社しました。まったく畑違いの職場に飛び込んで、毎日が戸惑いと失敗の連続でしたが、ちょうど3年が経った頃にようやく仕事の全容が見えてきました。以来30数年、新入生にしろ中途入社の人にしろ、「違う世界から山田組の一員に育っていく過程」をなにより大切に見守り、支援してきたつもりです。私が代表者を務めるこの会社に中途採用や学歴・性別などによるハンデは皆無です。
 最初は誰でもうまく力を発揮できませんが、できないことを責めるのではなく、得意なことを大いに褒めて伸ばして貢献してもらう…それが山田組の人材育成の基本姿勢なのです。

○採用枠を自社都合で狭めていません

 多くの建設企業では「現場技術者として土木工学を専攻した人材を…」といったように採用の枠を限定しますが、山田組ではまったく学部・専攻などは不問です。そもそも土木系の学生数が減少している中、それでも即戦力が欲しい…という発想は中小建設業者にとって現実的ではないと、私は思っています。
 もちろん専門の勉強をして入社後早々に力を存分に発揮してくれる社員も少なくありません。しかし求人をそうした人材に限定して考えず、広く社会に求めて自社で育成していくべき時です。そうすれば中小建設会社であっても先輩社員に「後輩を育てる」という責任感や具体的な教育方法を見出して実践していくという良い変化が生まれてくることを、私は自社で実感しています。

大舞台を求めなかった若い人たちがパフォーマンスを発揮しています

 安全担当のMくん、彼は芸術大学から新卒で入社して現在は山田組の優秀な安全担当の管理職です。月に何度か工事現場にパトロールに出掛けて、担当者と堂々と意見を交わして問題点があれば的確に指摘してきます。建設関連法規や建設業経理事務などの理解力も社内に彼に勝る人物はいません。
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 現場監督のSくんもまた芸術大学出身者です。今では県の工事で優秀技術者の賞を獲得する土木のプロに成長しました。「ものづくり」に対する人一倍強い想いが強みとなって、ここまで頼りになる人材になってくれたことを誇りに思います。
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 そして、昨年入社したばかりのYくん。デザイン学科を卒業して上述したSくんらに育てられ、現在は現場技術者として見習い中の身です。畑違いの出身者にとって、見るもの聞くもの全てが目新しく戸惑うことは私もかつて経験済みです。
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 しかし同時に、その戸惑いの中に現場の先輩が気がつかない工夫や改善の「種」も隠されているのです。近い将来、彼らが見出したそうした種がきっと花開き、より強く持続可能な山田組を動かすエンジンになると、私は信じているのです。

 以上に述べたとおり、あなたにとって今は立派な舞台には映らない山田組かもしれませんが、若い力を思い切り発揮して自らを強くできる舞台です。そして強くなったあなたが強くしたその舞台で、私たちと一緒に人生を賭けて踊りませんか?

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