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保有工法



TAACS 河川環境創造に役立つシミュレーションソフトウェア

3.事例紹介1―M河川のH島掘削検討

1.M河川とH島の概要 
 M川は、図3-1のような一級河川で、その幹川流路長は66.5km、流域面積は1,300.0km2です。川の下流区間は、低盆地の内水被害を受けやすい地形に加え、河川の勾配が極端に緩いため、海水面の影響を受けて、洪水が流れにくい状況が重なり、洪水被害が発生しやすい河川でもあります。さらに、この下流区間 には、昔から高く大きな島(H島)があり、それが洪水流の疎通を妨げているとの指摘がなされてきたために、現在その掘削計画が持ち上がっています。こうした砂洲掘削とそれに付随した高水敷盛土に伴う河道法線形状と横断面の変化により、洪水時の水衝部が変化する可能性があります。また、こうした改修工事によって河川環境が激変することも懸念されています。このような洪水特性の変化を予測するには、1次元の断面平均的な検討による流下方向の流速、流量だけではなく、横断的な水理量の変化を表現できる二次元モデルの通用が必要となります。そこで、一般座標系における二次元浅水流にモデルを通用して洪水時の平面2次元的な流況の変化をTAACSで予測しました。
 H島は図3-1に示すように、M川5.4kmから6.8km間に位置し、その全面積は約15.3haです。中洲は流水を著しく阻害しており、計画高水流量5,700m3/sに対して、主要地方道の路面高を基準した場合、1,000m3/s程度の流下能力しか確保されていません。洪水危険性を解消するためにはH島の掘削が必要となります。しかし、H島は湿地性植物の宝庫であり、かつ優れた河川景観を与えていることから、全面掘削ではなく部分掘削による保全の可能性についても検討を行う必要性がありました。既にH島の約半分を掘削すると最大約27cmの水位低減効果があるとの予測が存在していたので、それをTAACSで検証しました。

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2.計算条件 
 平成2年9月洪水は河道を流れた流量としては戦後最大の洪水であり、9月20日に記録された洪水時の最大流量は3、176m3/sです。既存の航空写真によれば、ピーク時には砂洲は水没していることが予想され、実際に確認されていますが計算ではこの最大流量を計算流量とします。

 最大流量は9月20日3時、下流側の2.8km地点の水位はT.P.+2.05mで、計算始点水位として用いられます。

 過去の資料から低水路と洪水敷の粗度係数は区間毎に、表-3.1のように与えます。H島の掘削条件により、河道の条件も変わります。本検討では表-3.2に示す3のケースとします。

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3.計算結果と結論 
 河川改修による流況変化の予測の一例として、M川取り上げ、一般座標における平面2次元流れモデルを用いた数値解析によって最近の最大洪水データを用いて計算を行い、洪水流の解析結果を示し、流況特性を把握するとともに考察を加えました。
1) 図―2の縦断水位の分布図から分かるように、平面2次元非定常流れ方程式を用いて流れの計算を行い、M川の現在状況及び2ケースの改修計画による洪水時の流況を把握した。
2)H島を半分掘削して水位が28cm程度低下した計算結果は事前の予測値と良く一致したことを明らかにした。
3)結論として、H島の半分掘削提案が受け入れられ、洪水安全性の確保と環境保全の共生・共存が図られた。

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